追悼・立川談志 出囃子「木賊刈」(とくさがり) について・・・
この出囃子の中、ソデから不機嫌そうに首をかしげながら高座へ。
座ると「ん゛~~~」と唸りながら妙に深々とお辞儀をする。
えー、いっぱいのお運びで。感謝感激、雨ションベンてなもんで。
あたしもとうとうこういうことになって、娑婆じゃずいぶんみんな喜んでる。
スポーツ紙みんな一面だよ。
まさかやりゃぁしめぇと思ってギャグで言ってたんだけどね。
「談志がしんだ」だってさ。やりゃぁがったね。
高田のバカなんぞラジオで「スポーツ紙の皆さん、ありがとう」だってさ。偉いねあいつも。
年取ってからはずっと死にてえ死にてえ言ってたんだけども。なかなか死ねないね。
しまいにゃぁ散々人の悪口言ったせいでとうとう声が出なくなっちゃって。
落語家立川談志こうなるともう生き地獄だからね。
こっちに来てようやく声が出るようになったのが何よりうれしい。
金正日マンセー!
死ぬと声も若返るんだね、志の輔に教えてやらなきゃいけない。
喉頭がんだの糖尿病だのね。あと淋病だの睡眠薬の飲みすぎだの腹下しだの。
どれで死んだんだかよくわかんなくなっちゃって。
死因は「ふとした病」ということにしてくれって頼んだの。
ようやく夢がかなったね。
若い時分から常に言ってたからね。死ぬならふとした病、頓死がいいって。
そしたら楽屋で誰かが言ったよ。「あの人は他殺でしょう」だってさ。
彦六の正蔵なんぞ談志は自殺するって言ってたよ。
こっちい来て楽屋で会ったら「自殺のわりに遅かったじゃねえか」だってさ。
でも立派だね。あの人は死んでもまだ震えてるんだね。
聞いたら震えてないとどこのジジイだかわからないってほんとかね。
小さん師匠なんぞ俺の顔見るなり「てめえ何しに来やがった!」だってさ。
「来たくて来たんじゃねえよ。人間いつかはこっちぃ来ることになってんだろ。」
っつったら「お前なんざぁ生涯娑婆にいろ!」だって。すごいね。
立川雲黒斎家元勝手居士。
そっちで聞けるのを楽しみにしてます。
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