葵と楓026:ミヨちゃん・カナダからの手紙(ミックスバージョン) について・・・
葵と楓:ミヨちゃん・カナダからの手紙(ミックスバージョン)
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吉田 紋女(よしだ あやめ)馬場 望(ばば のぞみ)・木村 唯(きむら ゆい)
日本音楽豆知識026
音楽としては,胡弓楽,地歌,義太夫節などで用いられる,三味線を小型にした形をしている「胡弓」(こきゅう)という楽器がある。これは,どのようなものであろうか。胡弓が最初に文献に現れるのは江戸時代初期である。三味線と比較するとやや遅い。江戸時代には,ちいさく弓を使うという意味をこめ,小弓などとも書かれている。「胡弓」は,弓で奏する擦弦楽器である。本土のものでは,三弦と四弦がある。江戸時代中期までにはほぼ三味線と同形となる。とくに,胴は,三味線と同様の箱型となった。やはり,表と裏に,猫・犬の皮をはっている。三味線と大きく異なるのは駒で,設置する位置も全く違う。弓の棹は中央部が毛側に向けてやや湾曲し,内向きにわずかに反っている。弓に弾力を持たせるための工夫は,現代のヴァイオリンと同じである。このあたりが似ているために,明治初期にはヴァイオリンが,胡弓と呼ばれた時期もあった。奏法としては,ヴァイオリンのように,弓の角度を変えて弦を運ぶのではない。弓の動きを一定に保ち,中子先を軸にして楽器本体を回転し,擦りたい弦に,馬の尾の毛=スをあてて弾く。江戸時代の盲人は,琵琶・三味線・箏に加え,この胡弓も演奏した。地歌・箏曲の成立とほぼ同時に,当道座の盲人音楽家たちは,胡弓を演奏していた。明治時代になると,三曲合奏は,この胡弓の代わりに尺八を用いることが多くなる。それでも,宮城道雄の,大胡弓は有名である。いずれにせよ,「胡弓」は,改造され続けられた。世界的に見ても同じ楽器で,種目により弓に大きな差がある楽器であるといえる。この楽器は,定義が曖昧である。そのため,中国の擦弦楽器である二胡,高胡などを俗に胡弓と呼ぶことすらある。
参考文献:胡弓楽(日本の伝統芸能講座・音楽)
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