近江源五郎 日ノ本開山情けの取組 [浪曲江州音頭] について・・・
近江源五郎のLP、浪曲音頭「浪花一代男」より日ノ本開山情けの取組です。
歌詞は以下になりますが、誤字／脱字がありますのでご容赦下さい。
エ皆様たのみます ヤレコリヤセドッコイセ
是れからはよいやせのかけ声を
ソレヨイトヨイヤマカドッコイサノセ
ア扨ても此の場の皆さんえ
茲にお江戸の相撲取り
其の名も佐の山権平は
十両筆頭の貧乏神
暮らしもそれに輪をかけて
食うや食わずを通り越し
其の上 老いたる母親の
病の看病にあけくれて
稽古が充分出来ぬため
来る場所来る場所黒星続き
相も変わらず貧乏神
ソレヨイトヨイヤマカドッコイサノセ
ア誰れが言うのか此の噂
東の横綱谷風の
耳に入ったばっかりに
義侠に強い梶之助
此れ此のままに捨ておけば
相撲社会の名折れぢゃすまぬ
親孝行の途すたる
流石は谷風梶之助
ソレヨイトヨイヤマカドッコイサノセ
ア心に一物手土産を
弟子こに持たせて佐の山の
九尺二軒の裏店に
訪れいたわる数々の
言葉の末に佐の山よ
力士稼業と言うものは
三十過ぎて幕内に
のぼれぬ様では見込がないぞ
おぬしも此処で此の稼業
水入りにして土俵を降りて
旧気で暮らすが上策ぢゃ
ソレヨイトヨイヤマカドッコイサノセ
アそれにつけても先立つものは
金がもの言う世の中ぢゃ
もと手の金は心配入らぬ
今度 深川八幡の
晴天七日の戎溝角力
初日があいたら頭取衆と相談して
わしが何とかしてやろう
親に孝行忘れるな
親孝行は富士の高嶺にさもにたり
見上げられたらほめられる
ソレヨイトヨイヤマカドッコイサノセ
ア言葉残して帰り行く
角力初日があいたなら
連日大入り 札止めの
三日目中入り 一ツ前
呼び出し奴こが自慢の声で
明日の取組御ひろうは
東谷風 西佐の山と
扇かざして 読み上げりゃ
聞いて見物驚いた
角力もいろいろ見たけれど
天下の横綱谷風と
幕にも這入らぬ佐の山の
鯛と鰯の取組みは
何か事情があるらしい
コイツァ滅多に見られない
孫子の末迄 語り草
例え七八置いてでも
此の一番を見なければ
男と生まれた甲斐がない
ソレヨイトヨイヤマカドッコイサノセ
ア是れを聞いたる三河町の
八百屋の長平が驚いた
佐の山関をば呼び寄せて
相手は名におう名横綱
所詮相撲にゃなるまいけれど
これひきょうな振舞いせぬように
明日はひいきのしおさめに
八百屋仲間で
お前の最後を飾ってやろう
千に一つも万が一
ケガのひょうしに横綱の
まわしに指でもふれたなら
香典がわりに十両やろう
もしも前三ツ取ったなら
五十両の花をやろ
ソレヨイトヨイヤマカドッコイサノセ
ア聞いて佐の山よろこんだ
それぢゃ親方うそにでも
横綱さんをば じりじりと
剣ケ峯迄追い詰めて
うっちゃりかけたる其の時は
金の百両も呉れますか
何を言うのぢゃ佐の山よ
百両はおろか 三百 五百
八百屋の身代呉れてやろ
ソレヨイトヨイヤマカドッコイサノセ
ア其の夜も明けた 東雲の
暁空に鳴り響く
櫓太鼓で目を醒まし
うがいちよずで身をきよめ
四股踏みしめてこれ佐の山が
情のこもった谷風の
これ一世一代 前代未門
八百長相撲の場所入りは
どうやら時間と成りました
ようこそご辛抱下された
それでは皆様さようなら
ソレヨイトヨイヤマカドッコイサノセ
ソレヨイトヨイヤマカドッコイサノセ
かけ声入り
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